在宅持続静注強心薬療法をわかりやすく伝えるために

在宅医療2026年06月22日

■ 退院前カンファレンスでの一言がきっかけ 

ある日、大阪の拠点で在宅持続静注強心薬療法を検討されている患者さんの退院前カンファレンスに参加した際、病院側の医師からこのような相談を受けました。

「在宅持続静注強心薬について、自分たちも十分に理解できていないことがある。患者さんへの説明に使えるパンフレットのようなものはないか?」と。

今まで訪問看護師や薬剤師向けの資料を作成していた拠点はありましたが、患者さん向けに在宅持続静注強心薬療法を説明する資料を作成していませんでした。

退院前カンファレンスで病院スタッフの方々と顔を合わせるたびに、在宅持続静注強心薬療法について、病院側と共通理解を持つことの重要性を感じていました。このご相談をきっかけに、患者さんやご家族、そして医療者の皆さんにも、在宅持続静注強心薬療法についてわかりやすくお伝えできる資料を作成したいと考え、パンフレット作成に至りました。

 

■ パンフレットに込めた思い

病院側が、在宅での強心薬持続投与を検討している患者さんへ説明する際に活用できることを想定し、当法人の強心薬ワーキンググループを中心にパンフレットの作成に取り組みました。自分たちが病院スタッフであれば「どういった内容が知りたいか?」ということを念頭に、各拠点のスタッフとも情報を共有しながら、掲載内容を検討しました。

在宅持続静注強心薬療法を受ける患者さんの中には、「病院に見捨てられた」「自分の人生はもう終わりだ」と受け止められる方も少なくありません。しかし、この治療は決して治療をあきらめるためのものではありません。心不全の症状を緩和しながら、患者さんとご家族がこれから先の人生の目標を描き、それを多職種の支援者が支えていく治療です。「家に帰りたい」「家族と過ごしたい」など一人ひとりの思いに寄り添いながら、その人らしい生活を続けていただくための選択肢として、在宅持続静注強心薬療法があります。私たちは、そのことが伝わるパンフレットにしたいと考えました。

2024年度の診療報酬改定において、在宅静注強心薬持続投与が保険承認を受けました。制度として認められたことで、より多くの患者さんへこの治療を届けられる環境が整いつつあります。

だからこそ、病院と地域の医療機関の連携の質をさらに高めていくことが、重要だと感じています。
患者さんとそのご家族らが在宅療法という選択肢に安心して向き合えるよう、取り組みを続けてまいります。

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のぞみハートクリニック 看護師
佐野 夢里奈

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