YUMINOのひと-医師 鈴木 豪-

YUMINOのひと2026年07月17日

今回のスタッフインタビュー「YUMINOのひと」では、ゆみのハートクリニック三鷹の鈴木 豪院長を紹介いたします。

大学病院で循環器内科医として経験を積み、現在は外来診療と在宅医療の現場で患者さん一人ひとりの暮らしに寄り添う診療を実践する鈴木医師。「病気だけではなく、生活を診る」という思いを大切にする診療への姿勢や、今後の展望についてなど聞きました。

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Q 出身地と医師を志したきっかけについて教えてください。

三重県桑名市の出身です。ハマグリやナガシマリゾートで知られる、自然豊かなまちで育ちました。医師を志したきっかけは、父の存在です。父は外科医で、子どもの頃に勤めていた病院へ連れて行ってもらったことがありました。そのとき看護師さんから、「おじいちゃん、おばあちゃんのヒーローなんだよ」と父のことを教えてもらったことが、印象に残っています。多くの患者さんから慕われている父の姿を知り、自然と医師という仕事に憧れを抱くようになりました。

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写真:なばなの里空中ゴンドラから撮影(長良川河口堰)


Q さまざまな専門科目がある中でなぜ循環器内科を選ばれたのでしょうか

学生時代に地域実習で循環器クリニックへ行ったことが大きな転機でした。もともと心電図を読むことが好きだったのですが、「こんなに多くの情報が読み取れるのか」とその奥深さに魅了され、将来は循環器内科を専門にしたいという思いが強くなりました。

6年生ときに地域実習の機会があり、卒業後の進路について地元の循環器の先生に相談した際、東京女子医科大学ならいろいろ勉強できると思うよと伺い、それが卒業後の入局につながりました。当時は現在のような初期研修制度ではなく、入局時から専門分野を決める時代でしたので、最初から循環器内科を志望しました。

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写真:弓野理事長とは、東京女子医大循環器内科の入局同期!

 

Q 先生はドイツへ留学されたのですよね。どういうことを学ばれたのでしょうか。

東京女子医科大学で医師として経験を積んだ後、30代後半で約2年間、ドイツへ留学しました。研究テーマは、フレイル(加齢などによる心身の衰え)や筋肉の萎縮メカニズムの解明です。大学病院では心臓リハビリテーションにも携わり、心疾患を抱える患者さんの不安や抑うつといった心理面にも関心を持っていました。病気そのものを治療するだけでなく、その人がどのような生活を送り、どのように回復していくのかに興味を持つようになり、その延長線上にフレイルの研究がありました。ドイツでは主に研究室に所属し、論文執筆や研究に取り組みました。

 

Q ドイツ語も話せるのですか!

仕事は英語でしたが、日常生活ではドイツ語も必要だったため、現地で学びながら生活していました。

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写真:左から留学先のゲッチンゲン大学病院、ゲッチンゲンの町なみ

 

Q 在宅医療へ進もうと思われた理由とYUMINOに入職された理由を教えてください。

東京女子医科大学時代の同期である弓野先生とのつながりもあり、YUMINOが取り組む在宅医療については、以前から話を聞いていました。大学で講演をしてもらう機会もあり、その理念や取り組みに触れてきました。
そして、臨床や研究を続ける中で、私がより関心を持っていたのは、急性期医療よりも、フレイルや心臓リハビリテーションといった「生活に近い医療」なのだと気づきました。そのため、「在宅医療の道に進むならYUMINOに行こう」と以前から決めていました。
留学前には非常勤医師としてYUMINOで訪問診療に携わり、ドイツ留学から帰国して数年後、常勤医師として入職しました。
病院でできることはもちろんたくさんあります。その一方で、自分が本当にやりたかったのは、患者さんの病気だけでなく、生活そのものを支える医療だったのだと思います。

 

Q 院長を務められているゆみのハートクリニック三鷹の雰囲気ついて教えてください。

比較的コンパクトな拠点ということもあり、スタッフ一人ひとりに目が届きやすい環境です。職種に関係なく、誰でもフラットに意見を言い合える雰囲気があって、それが三鷹院の良さだと思っています。また、地域全体にもどこか穏やかな空気があり、患者さんやそのご家族も温かい方ばかりです。

 

Q 開院以来思い出に残っているエピソードはありますか。

開院翌年に法人内で開催された動画コンテストで優勝したことですね。
スタッフ全員でジブリ作品をテーマにした動画を制作し、数か月かけて準備しました。忙しい日々の中でも、みんなで協力して一つの作品を作り上げた経験は、開院当初ならではの大切な思い出になっています。

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Q 患者さんと接するときに大切にしていることはありますか。

在宅医療では、「病院らしさ」をできるだけ持ち込まないことを大切にしています。
ある患者さんに介護ベッドを勧めたとき、「病院っぽくなるから嫌なんだ」と言われたことがありました。その言葉が今でも忘れられません。

医療者としては安全のために必要だと考えていても、患者さんにとって自宅は生活の場です。医療を整えることだけが正解ではなく、その人らしい暮らしを守ることも同じくらい大切なのだと、その患者さんから教えていただきました。だからこそ、患者さんやご家族の思いをまず受け止め、本当に必要なものを一緒に考えながら整えていくことを心掛けています。

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Q 在宅診療の魅力を教えてください。

生活の場を見ることができるのが、在宅医療の一番の魅力です。

例えばリハビリテーションだと、病院では運動負荷試験で運動耐容能をみて運動処方を行ったり、入院期間での歩行距離の改善、動作能力の改善などを評価しますが、自宅では「トイレで立ち上がれるか?」「階段をラクに上がれるか?」など、その人の生活に本当に必要なことの対するニーズが見えてきます。
以前、病院の外来で診ていた患者さんのお宅を訪問した際、たくさんの薬が袋にまとめて入っているのを見たことがありました。病院では「きちんと飲めていますか」と確認していても、実際には飲みきれずに残ってしまっていることもあります。
病院には病院の役割があり、在宅医療には生活の場だからこそできる役割があります。生活の現場を見ながら、多職種と連携し、その方にとって無理のない医療や生活環境を一緒に整えていけることが、在宅医療ならではの魅力だと感じています。

 

Q 今後の目標を教えてください。

在宅医療専門医としての専門性を生かし、三鷹院を在宅医療専門医を目指す医師が安心して学び、成長できる拠点にしていきたいと考えています。今後は指導医資格の取得も目指し、若い医師や在宅医療が初めての先生方が経験を積み、地域医療を支える人材へ成長できる教育環境を整えていきます。また、患者さん一人ひとりの生活に寄り添う医療を大切にしながら、地域に根差したクリニックとして、質の高い在宅医療をスタッフとともに提供し続けていきたいと思っています。

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【番外編】

Q ランニングクラブ「らんらんクラブ」のリーダーも務められていますが、どのようなクラブなのでしょうか。

「らんらんくらぶ」は、実は東京女子医科大学に在籍していた頃からやっていて、YUMINO開院時から続く活動です。一時は活動が落ち着いていましたが、最近になって再びメンバーが集まり、ランニングを楽しむ機会が増えています。
運動は健康づくりにつながるだけでなく、人と人をつなぐきっかけにもなると感じています。法人のスタッフだけでなく、患者さんや地域の医療・介護に携わる方々とも交流できる場になればと考えています。ランニングを通じて健康について気軽に話したり、地域とのつながりを深めたりできる、そんな活動に育てていきたいですね。
昨年は、YUMINOのスタッフとともに横浜マラソンにも出場しました。今後も楽しみながら活動を続けていきたいと思っています。

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Q 先生は認知症サポート医の資格をおもちですが、きっかけを教えてください。

地域で診療をしていると、「最近物忘れが増えてきた気がする」「どう相談したらいいかわからない」といったご相談を受ける機会が多くあります。
認知症は、診断や薬だけですべてが解決するものではないと考えています。もちろん治療は大切ですが、それ以上に、ご本人やご家族を地域全体で見守り、支えていく体制づくりが重要です。
例えば、地域包括支援センターなどにつながることで受けられる支援も多くありますが、「相談先がわからない」「まだ外には相談したくない」と感じている方も少なくありません。また、ご家族の中でも意見が分かれ、支援につながるまでに時間がかかるケースもあります。

そうした方々に寄り添い、適切な支援につなげられるようになりたいという思いから、認知症サポート医の資格を取得しました。診療だけでなく、ブログなどを通じて認知症に関する情報発信も行い、地域の皆さんが気軽に相談できるきっかけづくりにも取り組んでいます。

*認知症に関するブログ記事:https://mitaka.yumino-clinic.com/blog/category/dementia

 

 

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