Clinical Question : Hospital at Home (HaH)とは?
Hospital at Homeとは急性期在宅治療のことを指します。本来は入院して治療をする急性期の状態にある患者さんを、自宅や介護施設で診るシステムです。
今回はわかばハートクリニックで実践を致しましたので、実践と課題について共有させていただきます。
■対象となる患者と疾患
対象は、入院が必要だが、安定しており在宅で安全にモニタリング、治療ができる患者です。対象疾患には肺炎、尿路感染症、蜂窩織炎、胃腸炎、憩室炎、心不全、喘息発作、慢性閉塞性肺疾患(COPD)急性増悪が挙げられています。
■HaHのメリットとデメリットについて
■Hospital at Home×救急病院を実施
多くの救急車を受け入れている地域の基幹病院と連携し、入院が必要であるが自宅での観察を希望された方を対象としています。フローチャートを病院にお渡し、チェックリストを用いながら病院と連携をして実施しています。トライアル期間中は2例の紹介をいただき対応させていただくことができました。
■実施してみて分かった課題
・熱中症と尿路感染症の2例を経験した。
・受け入れ時は状態が安定していたが、夜間救急搬送となったケースもあった。
普段から信頼関係があるわけではない患者さんの意識・呼吸・循環に関するバイタルサインの変化は搬送せざるを得なかった。
・地域の社会資源との連携には課題が残る。療養場所や他の訪問診療事業所との兼ね合い。
・地域全体におけるHaHの制度自体の認知度が低く、混乱をきたしてしまう。
■まとめ
ニーズは必ずあると感じました。医師としての診療はいつも通りであるが、社会資源の調整や生活環境の調整、関連する他事業所との連携については課題が残りましたが、今後の改善に繋げていければと考えています。
わかばハートクリニック
彌永 武史