CPAPタイトレーションで中枢性無呼吸が残存した症例

60歳台 女性 身長:160㎝ 体重:63kg BMI:24.6 ESS:3
家族からいびきを指摘され、他施設の人間ドックで簡易検査を施行、REI=20.7で当院受診、診断PSGを行いました。
診断時のPSGトレンドが上記になります。BMIが高値ではないのですが、SpO2トレンドは異常な変化を示しています。
SpO2のベースが低値で、呼吸イベントに伴う過換気によって、やっとSpO2が95%以上に戻っています。呼吸イベントは体位に無関係に認め、いびきは後半の側臥位時に顕著でした。
PLMも23.4回/時間と中等度に認めました。Mallanpatiは2,扁桃肥大や小顎もありません。また脳波が覚醒であるタイミングにdesaturationを伴う中枢性無呼吸が、しばしば記録されていました。

診断時の安定呼吸時に認めた持続的な低酸素状態です。体位は仰臥位でSpO2は87~89%で推移しています。
しかし後半の3時半以降の安定したN2睡眠の時は、SpO2が94%まで回復しています。このような体位によるSpO2の変化は高度肥満の症例によく見られます。

CPAPタイトレーションの結果です。SpO2の低換気所見は改善されたことがわかります。
ただ入眠困難で、覚醒時のdesaturationが多くなっています。この原因は過換気に伴う中枢性無呼吸で、おそらく深呼吸する習慣が原因と思われます。
マスクに不慣れな時に深呼吸することで中枢性無呼吸を誘発し、それが苦しくて眠れな原因となっています。

脳波はα波が出現し、覚醒と判定してもよい波形でしたが、中枢性無呼吸が認められるときは、わずかにα波の周波数と振幅の低下を認めています。
ここはあえて呼吸イベントを生かすために、N1と判定しました。
今後の治療ですが、CPAPでPLMは顕在化しPLM指数は52.2回/時間、覚醒を伴うPLM指数は23.4回/時間と高値となり、PLMの治療は必要と思われます。
また中枢性無呼吸に関しては、スムーズな入眠を促すために、眠剤をしばらく使ってみるのもよいかもしれません。
ゆみのハートクリニック 睡眠検査統括
川名 ふさ江



