不眠を主訴に受診した中等度SAS症例

50歳台 男性 身長:180㎝ 体重:80 kg BMI:24.7
高血圧で通院中、家族からいびきと無呼吸を指摘され、高血圧との関連もありそうとのことで紹介受診されました。
主訴は不眠で、23時に就床して、眠剤を服用しても朝4時ころまで寝付けないとのこと、簡易検査を施行した結果はREI=23.6で、診断PSGを行いました。結果はAHI=17.8回/時間と簡易検査時より低値となりました。側臥位時間が長かったためと思われます。不眠の主訴はありましたが、入眠潜時は13.9分、睡眠効率は92.7%と全く問題ありませんでした。起床時の睡眠感はいつもと同じとのこと、睡眠状態誤認の可能性がありそうです。

ノンレム睡眠左側臥位時の安定呼吸波形で。軽度のいびきも記録されています。酸素飽和度は91~92%で推移しており、やや低換気の傾向がうかがえます。飲酒(ビール6~8本)は4日/週、喫煙歴:20本/日、38年間で禁煙の意思もないとのこと、PSGの日は飲酒なしで検査されました。低換気は喫煙との関係があり、また不眠は、飲酒による中途覚醒なども原因と考えられます。睡眠衛生上は、禁煙と過度な飲酒をやめることを勧めます。
ゆみのハートクリニック
川名 ふさ江



