BMI低値で側臥位就寝にもかかわらず、重症の無呼吸を認めた高齢女性
70歳台 女性 身長:160㎝ 体重:51kg BMI:19.9 ESS:4
無呼吸といびきを主訴に来院されました。小学生の頃にアデノイド肥大、15歳ころからいびきの指摘があるそうです。熟眠感の欠如と起床時の口渇、トイレ覚醒2回とのことで、簡易検査を施行、REI=18.1、最低SpO2=80%で、診断PSGを行いました。その結果、AHI=59.9回/時間と重症の無呼吸がありました。呼吸イベントは体位に無関係に認め、さらに仰臥位と表示されているときでも、体幹は45度くらい斜めになっていました。BMIが低値なので、desaturationこそ高度ではありませんが、3%ODIも38.5回/時間と高値でした。いびきも終夜記録されていました。
朝方の左側臥位時の閉塞性低呼吸波形です。胸腹の呼吸努力センサは位相のずれを示し、いびきも記録されて、desaturationも伴っている、典型的な閉塞性低呼吸波形でした。実は起床時ににじむ程度の血痰が出ることで、病院で調べても原因は不明だったそうです。血痰の原因は、呼吸イベントに伴う咽頭・後頭部の炎症による出血かもしれないと考えました。CPAPは有効と思われ、CPAP導入後の経過をタイトレーションの結果と合わせて、経過を続報として報告いたします。70歳代でもアデノイド肥大は継続するのか、その点についても調べてみます。