体位と呼吸イベントの関係性が説明できない症例

2025年10月03日

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30歳台 男性 身長:167㎝ 体重:71kg BMI:25.5 ESS:19 

咳喘息で通院中、無呼吸やいびきの指摘もあり、簡易検査を施行しました。

REI=16/時間、最低SpO286%、2ODIが高値だったことで、PSG精査となりました。PSG結果はAHI=51.2/時間と高値になりました。深睡眠も記録されていますが、AHIが高値となったのは、呼吸イベントの持続時間が短かったためと思われます。このトレンドで強い違和感を覚える点は、体位と呼吸イベントに出方に全く関係性が見えないことです。側臥位でも呼吸イベントが抑制されないかと思うと、同じ左側臥位で急に呼吸イベントが抑制されて深睡眠が記録されたり、後半仰臥位でも急に呼吸イベントが抑制されて、また深睡眠が記録されています。もう1点は、心拍数の高値もあり、HRトレンドの赤で示されているところは、心拍数が100/分を超えている部分を表しています。

 

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後半の仰臥位でも呼吸イベントが抑制された部分の波形を示しています。ビデオ画像では体幹は仰臥位ですが、わずかに頭位を右に傾けています。ただこの姿勢は閉塞性低呼吸が出現している間も同様でした。このタイミングから呼吸イベントが抑制されて、深睡眠が記録されていきます。ここでもう1点注目すべきは、枕の高さです。枕を2つ重ね、さらに下の枕は2つ折りにして高さを維持していたそうです。このことで上半身が半座位に近くなり、上気道が確保された可能性があります。また同じ姿勢でも呼吸イベントの出方が異なったのは、根本的に覚醒閾値が上昇することで、呼吸イベントが抑制されたと考えられます。

心拍が異常高値であった点は、背景疾患を調査中です。

 

ゆみのハートクリニック

川名 ふさ江

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