低換気の存在が示唆される症例
70歳台 男性 身長:162㎝ 体重:82 kg BMI:31.2 ESS:6点
虚血性心疾患と高脂血症で他院通院中、家族から無呼吸を指摘されて紹介受診されました。
日中過眠や熟眠感欠如の自覚症状があるそうですが、ESSは6点でした。
簡易検査を施行したところ、REI=14.9 最低SpO2:80%の結果で、診断PSGを行いました。
結果はAHI=24.7回/時間と中等症の無呼吸がある結果となりました。しかしトレンドをよく見ると、記録前半(オレンジの下線部分)は持続的なSpO2低下と変動をみとめるものの、体位変換も激しく、呼吸イベント判定はごくわずかです。
また朝4時過ぎから20分ほど仰臥位になると、呼吸イベントが増えるのではなく、持続的な低酸素(SpO2=90%前後)になっていました。
通常のOSAでは考えにくい現象です。
オレンジの下線部分の睡眠呼吸波形です。SpO2は92%前後で推移していることがわかります。
朝方の持続的な低酸素の状態も含め、低換気の要因が強い症例と考えられます。
この方は14年前に禁煙されていますが、それまで30年間、1人100本のヘビースモーカーでした。COPDの可能性を視野に、精査することになりました。
ゆみのハートクリニック
川名 ふさ江