レム睡眠側臥位時に認めた違和感のある気流波形

2025年06月13日

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60歳代 男性 身長:168㎝ 体重:67.4kg BMI23.7 ESS:7点 

3か月前から家族にいびきと無呼吸を指摘され来院、熟眠感の欠如と口渇もあり、簡易検査を施行したところ、REI33.8であったため、今回診断PSGを行いました。結果はAHI=39/時間と重症の無呼吸がありました。側臥位では呼吸イベントが抑制され、体位依存性であることがわかります。仰臥位のレム睡眠では呼吸イベントに伴う酸素飽和度の低下が顕著ですが、側臥位のレム睡眠では、酸素飽和度の低下は認めるものの持続時間が長く、低換気様の変化を示していました。

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2回目のレム睡眠で右側臥位の呼吸波形です。気流センサーは振幅低下を示し、それに伴うdesaturationも認めています。これだけ振幅変化があれば、低呼吸イベントを判定したくなります。するとこの低呼吸は閉塞性なのか中枢性なのかが問題となります。AASMの判定ルールでは、閉塞性低呼吸は、いびき・flow limitation・胸腹呼吸努力に位相のずれなどを鑑別点に挙げていますが、そのどれにも当てはまりません。それでは中枢性低呼吸とすべきでしょうか?レム睡眠は生理的にも呼吸が不安定になることが言われていますので、レム睡眠で中枢性イベントを判定するのは注意が必要です。この症例は過去に喫煙歴があることで、本来なら生理的な呼吸振幅の変化でも、低換気に伴うdesaturationが生じた可能性があるのではないかと考えました。このことを確認するには、肺機能検査も必要です。

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