PSG時にPACが頻発し、それが突然消失した僧帽弁閉鎖不全症術後例
50歳台 男性 身長:178㎝ 体重:77kg BMI:24.3 ESS:9点
僧帽弁形成術後で発作性心房細動の既往のあるかたです。
家族からいびきや無呼吸の指摘があり、マウスピース治療も受けていたが、歯科治療で合わなくなり中断されていました。
最近の心電図では不整脈もないとのことです。
熟眠感の欠如と口渇もあり、簡易検査を施行したところ、REI=22.5であったため、今回診断PSGを行いました。
終夜大半が側臥位で就寝されたため、結果はAHI=16.2回/時間とCPAP導入基準には至りませんでした。
このトレンドで注目していただきたいのはHR(下から2段目の心拍変動)です。
中途覚醒から再入眠した3時頃から激しかった心拍変動が突然消失しています。
心拍変動の原因はPACの頻発でした。記録の前半はPLMも多数記録されています(下から3段目赤マーク)。
頻発していたPACが突然治まった瞬間の記録です。
HRを見るとPACがよくわかります。
それではなぜPACが突然治まったのか、その原因を考えてみました。
記録開始時からPACを認め、入眠しても治まっていませんが、記録前半にはPLMも出現し、PLMに伴う交感神経活性が不整脈出現を助長していたと考えたのですが、いかがでしょうか?
中途覚醒の後再入眠をきっかけに迷走神経が優位となって、不整脈が抑制されたのではないかと考えました。