地域の臨床経験がガイドラインに反映

2021年09月09日

当法人は2021年9月でクリニック開院9周年を迎えます。

9年前、重症心不全患者さんが安心して生活をおくることができる社会の実現を目指しこのYUMINOを立ち上げました。今日に至るまで、たくさんの患者さんとの関りや、基幹病院との連携、共に働くスタッフの奮励により、東京大阪を中心に、重症心不全患者さんの地域での受け皿を拡げて参りました。

また、それと並行して、目の前の患者さんだけではなく、直接手の届かない方への健康を推進する活動もまた、我々の使命であると考えています。

その活動の一環として、2021年、地域医療を担う循環器クリニックを代表し、3つのガイドラインとコンセンサスレポートの策定に携わりました。

 

  • 2021年改定版 心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン

https://www.jacr.jp/web/wp-content/uploads/2015/04/JCS2021_Makita2.pdf

近年、日本では高齢心疾患患者の増加に伴い、心リハによる長期介入の重要性が高まっている。そこで、日本循環器学会と日本心臓リハビリテーション学会は既存のガイドライン(以下、2012年版)を改訂しました。これからの課題となる心不全の地域医療、遠隔医療について言及しています。

 

  • 2021年改定版 循環器疾患における緩和ケアについての提言

https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Anzai.pdf

循環器緩和ケアはエビデンスが乏しい領域であり、循環器診療と緩和ケアをどのように 両立させるべきかという喫緊の課題を解決するため、循環器疾患の各領域において考慮すべき緩和ケアの視点に重点を置いて、今回の提言が作成されました。ICDを含めたデバイス停止の問題、また症状緩和の薬剤、地域在宅医療における緩和ケアについても述べられています。

 

  • Consensus Report on Destination Therapy in Japan

https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-21-0462/_article/-char/ja/

Destination Therapy(DT)は心臓移植の候補ではない重症心不全患者に左室補助人工心臓(LVAD)を移植するための治療です。2021年5月に日本で承認されました。臨床的には介護者の問題や終末期ケアについての詳細な議論が不可欠です。そのために、2020年8月に学際的なメンバーからなるDT委員会を組織し、その議論内容を臨床応用していくためにconsensus reportとして策定しています。

 

このような、今後の心不全治療の道筋を作り上げるガイドライン策定に地域医療の立場より参画できることは、当法人にとって大変意義深いことであります。

昨今、医療を取り巻く状況は日々刻々と変化しており、社会の一員として求められる責務も多様化しています。今後もYUMINOは目の前の患者さんの人生に寄り添う医療の視点と、これからの医療発展へ向けたグローバルな視点を持ち、地域社会とともに成長していきたいと考えています。

 

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弓野 大

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