Clinical Question:脂質異常症の治療についてー日・欧での脂質管理の違いー

YUMINO education program2021年02月05日

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動脈硬化性心血管疾患の二次予防および一次予防としてHMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン)には多くのエビデンスが存在している。その管理目標値に関しては、ガイドラインを改定する毎に厳しくなっているが、日本においては、急性冠症候群既往例および家族性高コレステロール血症例に関してはLDL 70mg/dl未満を目標としている。一方、ヨーロッパ心臓病学会のガイドラインでは、動脈硬化性心血管疾患既往例にはLDL 55mg/dl未満を目標とするよう推奨しており、一歩踏みこんでいる。

動脈硬化性心血管疾患既往のない脂質異常症を有する日本人におけるスタチンの一次予防効果をみたMEGA試験ではNNT=119という結果であり、また、急性冠症候群既往例にて検討されたIMPROVE-IT試験にてもNNT=50という結果であった。そのため、治療の有用性は確認されているものの、盲目的な治療開始をすることなく、治療対象の検討、費用対効果にも目を向ける必要がある。

 

ゆみのハートクリニック

工藤雅人

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