慢性心不全管理プログラム

2016年06月30日

慢性心不全は、その原因疾患、評価、治療からケアまで、多種多様です。このため、医師や看護師だけでなく、薬剤師、栄養士、理学療法士、心理士、緩和ケア提供者、ソーシャルワーカーなどによる集約的・集学的管理が重要です。最近、2016年ヨーロッパ心臓病学会心不全ガイドラインが報告されました。その中で、多職種協働によるチーム医療での慢性心不全管理プログラムについて述べられています。


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1.適切な薬物・デバイス管理

心不全の予後改善効果が示されている薬剤やデバイスによる治療を適切に行っていくことは大切です。病状は変化していくので、定期的な検査により薬物やデバイスの調整をおこなっていきます。

2.患者教育およびセルフケア

心不全という病気そのものや症状の変化の仕方、薬の内服の重要性などを患者さんに理解してもらえるよう教育を行うことが大切です。

3.症状モニタリングおよびフレキシブルな利尿剤の調整

息切れ感や浮腫などの症状の変化について患者さんとともにモニタリングしていき、またこれらの症状にあわせ、利尿剤量を適宜調節することが有効です。

4.退院後のフォローアップ

心不全が改善し退院した後のフォローアップは、心不全の再増悪を減らし、再入院を減らすために重要です。定期通院や訪問診療を継続します。難しい場合は電話によるサポートや遠隔モニタリングという手段も考えられます。

5.非代償期への早い対応

心不全が悪化している時期は、容易にさらに増悪することが考えられます。そういった時期に素早く対応することは、さらなる増悪を防ぐ意味でも大切であり、なんらかのケアシステムへ簡単に連絡をとれることが重要です。

6.体重、食事摂取量、生活活動度、生活の質、血液データなどの評価

体重の増加と食事や生活活動度は密接に関連しています。血液データの評価により薬物治療を変更することもあります。生活の質を保ちながら治療を継続することも重要です。これらのデータから状態を適宜評価し適切にコントロールをおこなっていきます。

7.患者と介護者の精神面のサポート

抑うつが心不全の患者さんの約20%でみられるという報告があり、患者さんの精神状態の把握とそのサポートが必要です。また介護者の負担も大きいため、介護者に対しても精神面でのサポートを行なっていくことも重要です。

ゆみのハートクリニックでは、外来診療から在宅診療まで、心不全の患者さんの再入院を抑え、生活の質を保てるよう、多くのスタッフにて多角的なアプローチを大切にしています。

参考文献:Ponikowski P et al. 2016 ESC Guidelines for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure: The Task Force for the diagnosis and treatment of acute and chronic heart failure of the European Society of Cardiology (ESC) Developed with the special contribution of the Heart Failure Association (HFA) of the ESC. Eur Heart J. 2016 May 20


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