重症OSAでもレム睡眠のdesaturationが目立たなかった症例

2025年04月25日

症例

50歳台  身長:167㎝ 体重:72kg BMI25.8 ESS:5 以前から家族にいびき指摘され2~3年前から熟眠感欠如を自覚するようになったとのことです。会社の健診で簡易検査を施行したところ、REI=46回/時間重症の結果で、産業医の紹介でまずはCPAPを導入(4-8㎝H2Oのオート設定)しました。CPAPを5日間休止して、診断PSGを行っています

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結果は、体位と無関係に終夜呼吸イベントを認め睡眠中は常に呼吸イベントが出現している状態でした。やや違和感があったのは、酸素飽和度の低下はノンレム睡眠仰臥位時で強く、レム睡眠は仰臥位時でやや抑制されていたことです。通常レム睡眠時は、無呼吸終了に寄与する化学受容体の反応がノンレム睡眠より低下するとともに、骨格筋の脱力が顕著となるため、ノンレム睡眠より無呼吸は重症化(呼吸イベントの持続時間が長くなる)することが一般的です。ただこの症例は、覚醒閾値が低く、レム睡眠でも呼吸イベントの持続が短いまま覚醒反応が生じて、呼吸イベントが終了しているためdesaturationも高度にはならなかったと考えられます




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通常レム睡眠時の呼吸イベントの持続時間はノンレム睡眠の2倍以上、1分を超える呼吸イベントもよく見られます。この症例はノンレム睡眠とほとんど変わらず、30秒~40秒で呼吸イベントが終了しています。 





ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江

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