地域医療実習レポート/D医学生

2017年05月02日

大学の地域医療実習の一環として、ゆみのハートクリニックで実習を行いました。

ゆみのハートクリニックを選んだ理由

在宅訪問診療は大学の病院実習では学ぶことが難しいことに加え、実際に在宅医療がどのようなものであるかを知らなかったため、この機会にぜひ勉強したいと思いました。

実習内容

実習は訪問診療を中心に、外来診療にも回らせていただきました。

ゆみのハートクリニックには複数の専門外来があるため、心不全や高血圧、睡眠時無呼吸症候群のフォローアップの患者さんの他に、風邪症状などcommon diseaseの患者さんも多く来院されていました。診療の間には、血圧測定や心音・呼吸音の聴取をする機会のほか、心エコーやCPAPなどの検査・治療を見学したり、体験したりする機会も得ることができました。私が実習を行っていた時期は、季節の変わり目のため咳喘息を訴える患者さんが頻繁に来院し、その症状が本当に咳喘息であるか、別の危険な疾患が隠れていないかどうかなど、鑑別診断の大切さを実感しました。また、多くの患者さんが待っている中、ただ患者さんの訴えを聴き続けるのではなく、限られた診察時間で必要な情報を得て、治療に繋げていく難しさも感じました。

訪問診療では、個人の患者さんだけでなく、介護施設への訪問診療にも同行し、外来診療で行った血圧測定や聴診に加えて、体温測定や患者さんの介助もさせていただきました。実際に患者さんが生活している場に足を踏み入れることで、患者さんの身体的・精神的状態だけでなく、介護される家族の状態、周囲の環境の各要素によって介護状況が大きく変化するのだと感じました。決して、順調に介護生活が進んでいる家庭ばかりではなく、中には実習生でしかない自分が果たして同席しても良いのだろうかと思うほど、患者さんや家族にとって重要な局面の話し合いに立ち会うこともありました。実習を終えた現在では、これから医師になっていく身として、患者さんや家族が何に悩み、心を痛めているのかを少しでも知る機会を与えられたことに大変感謝しています。

在宅医療では医師だけではなく、日々患者さんの様子を見ている訪問看護師や訪問介護士、施設であれば薬剤師などの多職種、家族以外に患者さんと関わりがある方とも充分なコミュニケーションを取る大切さを学びました。実際に、患者さんを他病院で診察してもらう必要がある、救急搬送しなければならない状況の際に、緊密な連絡によりスムーズに事が運ぶ場面を目にし、講義で教わる以上の実感を得たと思っています。

実習を終えて

在宅訪問診療は実際に学ぶことができる機会はほとんどないため、本実習で経験し、学ぶことができ、大変嬉しく思います。これからは大学病院での実習が続き、ゆみのハートクリニックでの診療とは大きく違う点が多々あることと思います。本実習で得たことを心に留め、今後の実習にも生かしていきたいと思います。

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