不眠のCPAPタイトレーション

2025年05月16日

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40歳台  身長:167㎝ 体重:80.7kg BMI29 ESS:5 

30歳代よりいびきの指摘あり、熟眠感欠如と頻回の中途覚醒で耳鼻科を受診され、簡易検査を施行したところ、REI=68.4回/時間でCPAP導入目的に紹介受診されました。

診断PSGは拒否され、そのままCPAPを導入し、設定は4-10㎝H2Oのオート設定で、2週間半ほど使われて、使用日の平均使用時間は6時間弱、残存AHIは2.3回/時間と比較的良好なアドヒアランスでした。

しかしまだ熟眠感はないとのことで、CPAPタイトレーションを行いました。

その結果がこのトレンドグラフになります。

残存する呼吸イベントは閉塞性低呼吸が主体で、レム睡眠時とノンレム睡眠の仰臥位時に散見され、AHI=8回/時間でした。しかし睡眠は全く改善されず、睡眠効率=32.8%と不眠のタイトレーションでした。

PLMも不眠の原因となり、覚醒を伴う脚動が6.7回/時間と無視できない数値でした。

オート設定では覚醒時から圧上昇がみられ、それが入眠困難となった可能性もあります。 

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眠剤服用後やっと安定した睡眠が記録されましたが、再度睡眠と覚醒を繰り返すようになりました。

その時に散見されたのがこれらの中枢性無呼吸です。

最も呼吸が不安定になるタイミングで10㎝H2Oの圧が入り、中枢性無呼吸が誘発されたと考えられます。

総睡眠時間が3時間弱でこのような生理的な呼吸イベントも含まれて、相対的に残存AHIは高くなってしまいました。

入院検査というストレスとCPAPにはまだ不慣れなことも考えられ、睡眠が安定すれは呼吸イベントも改善が期待できますので、このまま経過観察としました。

しかし使用しているCPAP機器は、圧上昇が急激なタイプであり、覚醒閾値がこのように低い症例は、圧上昇のソフトな機器に交換が必要かもしれません。 

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