RBDを疑う症例

2024年08月30日

症例

50歳台性 身長:160cm 体重:55Kg BMI:21.5 ESS:

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2年前より怖い夢や戦う夢をみて叫び声をあげたりベッドから転落したこともある。漢方を処方され症状は落ち着くも、服薬しないと症状が再燃する。もともと寝言は多く、叫ぶ疑い、罵声をあびせる、金縛り、入眠時幻覚など、症状は多彩です。レム睡眠行動障害を疑い、PSGを行いました。最下段の汎用イベントの欄は、RWAを判定したエポックを表しています。




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RWAと判定されたエポックをピンクでハイライトしています。30秒エポックを3秒ずつのミニエポックに分割、その中で筋電位の増高が見られたミニエポックが5個以上あれば、30秒全体をRWAエポックとして判定します。RWAは頤筋と左右上下肢の筋電図を総合して判定しますが、この波形からもわかるように、下肢にはほとんど動きがない場合でも上肢の筋電位増高からRWAが判定されることは多く、RBDを疑う症例は、必ず上肢の筋電図を測定する必要があります。 

この症例は明確な異常行動は見られなかったもののRWA率が48.8%と高値で、臨床症状もはっきりしており、間違いなくRBDと診断できました。RBD診断のRWA率カットオフ値ははっきりした見解が出されていないのが現状です。というのも入院PSGは普段と異なる環境で、たくさんのセンサー類を装着しての睡眠のため、緊張感を伴いRBD症状は出現しないことも多く、またレム睡眠すら記録されないこともあります。 





ゆみのハートクリニック 川名 ふさ江



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