Clinical Question:ナーシングホームについて考える

YUMINO education program2022年06月03日

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図:介護施設の分類

 

 在宅での長い経過の中で、患者の病状変化や加齢により、介護度や看護必要度は変化する。このような変化の中で、在宅での生活の継続を希望する方がいる一方で、施設入所を希望する方もいる。

 費用と介護必要度を軸に、介護施設は図のように位置付けることができる。介護度および看護必要度の高い患者、あるいは、終末期療養を必要とする患者は、既存の施設では対応できないことがしばしばある。

 ナーシングホーム(nursing home)は、" A nursing home is a place for people who don't need to be in a hospital but can't be cared for at home. Most nursing homes have nursing aides and skilled nurses on hand 24 hours a day." (MedlinePlusより引用)と定義される。日本では、ナーシングホームの明確な定義はないが、介護だけでなく、看護師を中心とした医療・看護の提供や看取りを行う介護-医療が一体化した施設のことである。

 ナーシングホームは、在宅生活が困難で、かつ、既存の施設あるいは病院でまかないきれない患者に対して、質の高いサービスを提供できる可能性がある。実際、大阪東淀川区の、あるナーシングホームでは、スピリチュアルケアも含め、質の高い全人的ケアに取り組んでおり、患者・家族はとても高い満足度を得ていた。

 数はまだ少ないが、ナーシングホームは、今後、超高齢・多死社会を迎える日本において、介護度、看護必要度の高い患者にとって、在宅以外のもう一つの選択肢として、発展することを期待する。

 

のぞみハートクリニック

嶋村 邦宏

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